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世界が有効性を認めた鍼灸治療

東洋医学の代表的な治療法である鍼灸治療は日本や中国、韓国などのアジア圏において、自然治癒力を引きだす伝統医療として確立している治療法です。しかし近年は西洋医学を主体とするドイツやフランスなどの欧米諸国にも広まっており、現在世界の100ヵ国以上もの国で採用されています。1997年アメリカ国立衛生研究所(NIH)は鍼灸治療の有効性について、様々な病気に対して効果があると認める声明を発表しました。今では欧米にある多くの病院で、西洋医学では効果が表れにくい患者に対する治療法として採り入れています。その一方で2000年に鍼灸大学が行った調査によると、年に1回鍼灸治療を受けたことがあると答えた人は6~7%で、生涯のうちに1回以上受けたと答えた人は32%に留まりました。理由としては鍼が痛いということや、灸が熱いというもので、中には保険がきかないために治療費が高くなるという回答も見られました。世界で積極的に採り入れられている鍼灸治療が、意外にも日本で活用している人が少ないことが分かったのです。

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